4ステップでわかる親御さんのためのお子さんの就労支援ガイドです。
ステップ1 就労継続支援A型・B型・就労移行の違いと、最初の相談先の選び方
ステップ2 就労支援は親だけで相談OK 初回相談で聞かれること・準備チェックリスト
ステップ3 就労継続支援B型の選び方 見学で確認しておくと安心な10のポイント
ステップ4 相談先で迷わないために 親子で使える“伝え方のヒント”と支援のつなげ方
※本記事は主に、利用を検討するご家族(保護者)の方向けに書いています。
ご本人が読んでも負担にならないよう、「急がない」「責めない」を前提にまとめています。
就労支援は親だけで相談しても大丈夫なのか不安に感じている方へ。
初回相談で聞かれることや、事前に準備しておくと安心なポイントをわかりやすく整理しました。
親だけで相談しても大丈夫?
「本人が動けないのに、親だけが先に相談していいのだろうか」
「勝手に進めたら、本人が意固地にならないだろうか」
こうした迷いは、とても自然なものです。
結論から言うと、親だけで先に相談・見学をするのは問題ありません。
- 制度の情報収集
- 見学の予約
- 必要書類の整理
- どこに相談すればよいかの整理
こうした準備が整っていると、ご本人が少し動けるタイミングが来たときに、無理なく支援につながりやすくなります。
ただし大切なのは、“親が決める”のではなく、“本人が選べる状態をつくる”こと。
次の段階では、本人の尊厳を守る進め方に切り替えていきましょう。
1)親だけで動くのは「準備」までにする
親が先にやって良いのは、例えばこの範囲です。
- 相談先(なかぽつ/就労移行/A型・B型など)の情報収集
- 事業所の見学予約、資料の取り寄せ
- 費用・通所条件・支援内容の確認
- 「合いそう/合わなそう」の整理
ここまでであれば、本人の負担を増やさずに選択肢を広げる準備ができます。
2)本人への切り出し方(意固地にさせないコツ)
親だけで相談したあとに最も大事なのは、伝え方です。
本人が反発しやすいのは、「正しさ」よりも、勝手に進められた感が生まれたときです。
切り出しは、次の型が安全です。
(おすすめの言い方)
- 「働けって話じゃなくて、今しんどいのを軽くする方法を一緒に探してきたよ」
- 「選択肢を増やすために、話だけ聞いてきた。決めるのはあなたでいい」
- 「いま動けなくても大丈夫。見学だけ/話を聞くだけもできるって」
ポイントは、
- “決めるのは本人”を明確にすること
- 「就職」ではなく「整える」から始めること
です。
3)本人が動くタイミングは「小さく」で十分
本人が動く段階は、いきなり面談や申込でなくて構いません。
- まずは資料を見る(5分だけでもOK)
- 見学に同行する(行くだけで成果)
- 話せなければ「YES/NO」で答えるだけ
- 同席が難しければ、最初は親だけ→最後の10分だけ本人参加
「本人が主体的に動く」ことは、最初から完璧である必要はありません。
参加の形を本人に合わせて調整することが大切です。
4)親子で一緒に相談に行く場合の進め方(尊厳を守る)
親子で相談する場合は、次の2点を守るだけで、本人の尊厳は守られます。
- 主語を本人に戻す(親が全部話さない)
- 親は「補足」役に徹する(事実確認や生活状況の説明のみ)
例えば、最初にこの一言があると場が整います。
「基本は本人の話を中心にしたいです。必要なところだけ親が補足します。」
支援者側も配慮しやすくなり、本人も安心しやすくなります。
初回相談でよく聞かれる「5つのこと」
就労支援の相談では、機関が違っても確認されるポイントはだいたい共通しています。
- 生活リズム(睡眠・起床・食事)
- 体調の波(不調のサイン・頻度)
- 対人や環境の負担(人混み・音・曖昧な指示など)
- これまでの就労経験と中断の理由
- 本人の希望(理想よりも「今できそうなこと」)
就労支援を親だけで相談するときに整理しておくと安心な「現状メモ」
初回相談では緊張して、思ったように話せないこともあります。
あらかじめ次の内容を簡単に書き出しておくと、状況を落ち着いて伝えやすくなります。
書ける範囲で構いません。
基本情報
- 年齢:
- 現在の外出状況(週○回 など):
- 診断・特性(分かる範囲で):
- 通院・服薬(分かる範囲で):
生活リズム
- 起床:
- 就寝:
- 乱れやすい要因:
不調のサイン(これが出ると崩れやすい)
- 例:頭痛/腹痛/無言になる/睡眠過多/イライラ など
得意・苦手(環境)
- 得意:決まった手順/一人作業/静かな環境など
- 苦手:急な変更/曖昧な指示/人が多い場所 など
就労歴(うまくいかなかった理由)
- いつ:
- 何をしていたか:
- どこでつまずいたか:
目標(小さく1つ)
- 例:週1回、午前だけ通所できるようにしたい
相談先別「聞いておくと安心な質問」リスト
参考:就労継続支援A型・B型・就労移行の違いは? 親が最初に知るべき相談先と選び方
なかぽつ(障害者就業・生活支援センター)
- 相談の全体調整(司令塔)になってもらえますか
- 医療・福祉・ハローワークとの連携はどう進みますか
- 今の状態で優先すべき支援はどれですか
B型事業所
- 週1回からの利用は可能ですか
- 欠席が続いた場合のサポートはありますか
- 緊張が強い人への配慮はありますか
- 作業量は段階的に増やせますか
就労移行支援
- 実習の機会はどのくらいありますか
- 定着支援は何か月、どこまで対応してもらえますか
- 本人の特性を企業へ伝える支援はありますか
ハローワーク
- 障害者求人の探し方
- トライアル雇用の条件
- 利用できる職業訓練の種類
就労支援の相談がスムーズに進むための伝え方のポイント
相談中に「別の機関が担当になります」と案内されることもあります。
そんなときは、対立するのではなく、次のように確認すると安心です。
「次はどこへ、どの順番で相談すればよいでしょうか」
「紹介状や連携先はありますか」
「今日の相談内容を、次の機関へ共有していただけますか」
大切なのは、“次の順番” と “引き継ぎ” を確認しておくこと です。
相談は「準備が8割」
初回相談は、うまく話そうとしなくて大丈夫です。
メモがあるだけで十分に伝わります。
親御さんが整えるのは、「子どもを無理に動かすこと」ではなく、支援につながる道筋をつくること です。
「働く話」から始めなくて大丈夫です
生活の困りごとからで構いません。
今の状態に合った支援は、そこから一緒に整理していきます。
