親のための就労支援ガイド(4):相談先で迷わないために 親子で使える“伝え方のヒント”と支援のつなげ方

※本記事は主に、利用を検討するご家族(保護者)の方向けに書いています。
 ご本人が読んでも負担にならないよう、「急がない」「責めない」を前提にまとめています。

相談先を回ることになっても、うまくいっていないわけではありません

いくつかの窓口を紹介されると、「たらい回しにされているのでは…」と不安になることがあります。

ですが実際は、支援の現場が役割ごとに分かれているために起こることがほとんどです。

  • 就職活動の支援 → ハローワーク
  • 働く準備の訓練 → 就労移行支援
  • 働く場所の提供 → A型・B型事業所
  • 生活面の支援 → 福祉・医療
  • 全体の調整役 → なかぽつ(障害者就業・生活支援センター)

冷たい対応というより、担当できる範囲がそれぞれ違うだけなのです。

だからこそ大切なのは、「どこが次の窓口か」「話がどう引き継がれるか」を一緒に整理していくことです。

まずは“まとめ役”を決めておくと安心です

いくつもの窓口に同時に相談するよりも、全体を見てくれる人を一人決めておくと流れが整いやすくなります。

まとめ役になりやすいのは、たとえば次のような人です。

  • なかぽつ(障害者就業・生活支援センター)
  • 相談支援専門員
  • 主治医(連携先がある場合)

「全部に同時に相談する」よりも、一緒に順番を考えてくれる人がいるだけで、負担はぐっと軽くなります。

状況を伝えるときのヒント(親御さん向け)

長く話そうとしなくても大丈夫です。
ポイントを短く伝えるだけで、支援の方向性は見えやすくなります。

例)

本人は働きたい気持ちはありますが、体調の波があり長続きしません。
今いちばん困っているのは(生活リズム/外出の少なさ/対人の不安など)です。
目標は“すぐ就職”ではなく、まず(週1回の通所/午前だけ外出)を安定させることです。
今の状態から無理なくつながる支援を、一緒に整理していただけますか。

完璧に説明しなくても大丈夫です。
整理しながら一緒に考えてもらう、という姿勢で十分です。


ご本人が伝えるときは、短い言葉で大丈夫です

ご本人が話す場合も、長い説明は必要ありません。

例)

  • 「働きたい気持ちはありますが、続かないことが多いです」
  • 「人が多い場所が苦手です」
  • 「週1回くらいからなら始められそうです」
  • 「相談しながら決めていきたいです」

言葉が出にくいときは、うなずくだけ、YES/NOで答えるだけでも十分に伝わります。

別の窓口を案内されたときの確認のしかた

相談の中で「別の機関が担当になります」と言われることもあります。
そんなときは、対立せずに次のように確認すると安心です。

  • 「次はどこへ、どの順番で相談すればよいでしょうか」
  • 「今日お話しした内容を、次の機関へ共有していただけますか」
  • 「紹介状や連絡先があれば教えてください」

大切なのは、“次の一歩”がどこかをその場で確認することです。

相談は「がんばること」ではなく「続けられる形を探すこと」

支援は、本人の根性や努力だけで乗り越えるものではありません。
続けられる形を一緒に探すための仕組みです。

親御さんが無理に子どもを動かそうとしなくても大丈夫です。
まずは、安心してつながれる道筋を整えることが大切です。

焦らなくて構いません。
一歩ずつ整理していくことで、支援は少しずつ形になっていきます。

ご家族だけの相談から始まるケースも多くあります。
不安なことがあれば、いつでもご相談ください。